独身の方が自由に暮らせていいだろうけど

2014.3.10

私の好きな中村天風の言葉に「人生は心一つの置き所」というものがある。ちょっと解釈が難しいが、「自分が大事と思う方向に選択していけば、人生は自分の思うように築かれていくものだよ」という意味だ。即ち、シッカリ自分の意志を持っている人は、その意志の通りに人生が展開されていくが、優柔不断な気持の人は、その時の気持次第でフラフラ揺れる人生に成っていくということだ。人生も政治も“一寸先は闇”であり、吹く風任せの人生を歩んでいれば、どこの港に入れるかは風任せになってしまい、自分の人生が送れるはずもない。風任せで航海できればまだしも、一瞬の油断で人生がどんなに暗転するか予想も付かない世界だと言えば言えるのである。

結婚するか独身で行くか。人生の決断とすれば、相当大きなものになるのだが、「いい人が現れたら……」と半分風任せを決め込んだら、その時は“全部風任せ”を選択することになるよ。そこのところが、アナタの人生の分岐点だろうね。そして、今の日本の状況をベースに考えれば、「独身でいく方が、気楽で自由な生活が送れる」と思われるね。独身なら好きなことをしても迷惑を掛ける人が少ないだろうし、イザの時自分だけが食って行ければ何とか成るので、責任も軽くて済むだろう。だから、将来に責任が持てない気分なら「独身に逃げるのも良しだ」。そりゃー結婚する方が大変だよ。言いようによれば、「好きこのんで苦労するために結婚することはないよ」とも言えるよ。

しかし、ここが思案のしどころなんだよ。生き甲斐というか、生まれ甲斐というか、「今生の人生をどう位置付けるか」なんだね。今回の地球上の人生、苦労も一杯したけれど、「頑張って生き抜いたなぁ」と思えるような人生にしたいか、あんまり苦労しないで、ノホホンと生きたらいいと考えるかだね。後者の気持に近い人は、「却って独身がいい」かもしれないね。結婚するかしないかは、ここの人生設計に関係してくると思われる。「全ての選択に」長短有り。どっちを選ぼうが大した違いのないものならば、迷う必要もないし、拘る必要もないのだが、この問題はそうとも言えないので、一考の価値の有るものになるのだね。

「人間」て、不思議なものだね、日常生活なら手の掛からない気楽な方がいいと思うのだろうが、人生の意味付けとか生き甲斐を絡ませて考えるとなると、“けっこう真面目に手抜きをするのが憚ハバカられるのだね”。何となく気分としては、真面目な人生を送りたいという願望が出て来るのだよね。この欄を書いている私は私の人生を歩んでいるので、ここでは道すがらの助言者でしかないわけで、「気楽な評論に乗せられてはいかんよ」。アナタが「どんな人生を歩むのか」は、アナタ自身が決めればよく、道すがらのおじさんの出る幕でないのだからね。ただ、評論家の言えることは、「独身で行くなら、決心は不要、流れに任せればよい」、しかし、「結婚するならば、ハッキリとなにがしかの決心を持った方がよい」ということだねぇ。

投稿日 2014.3.10

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